秘湯巡り同好会


活動報告


サービスの生ビールで乾杯。前に並ぶ豪華な食事
サービスの生ビールで乾杯。前に並ぶ豪華な食事

お湯、芸術、お酒に浸った下田の旅

(2024年10月23~24日)

 

10月23日 さまざまな特別サービスに感謝

 前任の世話人の故・根来さんは、会のお宿の選択基準を「日本秘湯を守る会」の会員の宿としていました。しかし、メンバーが高齢化し、それらの宿だとアクセスや食事内容などで苦労することもあり、その基準にこだわらず、お湯と食事の良い宿なら、どこでも良いということでメンバーが了解しました。今回はその第1回目の旅行です。

 今回訪れたのは、メンバーの三木義昌さんの出身母体である大正製薬が経営する「下田セントラルホテル」です。下田駅から車で15分、田園地帯の真ん中にドンと構える豪華なホテルです。

 参加者は、田中健一、中重賢治、松尾正晴、三木義昌、馬来勝彦、後呂真次、立山秀氏と三木延義の8名。

 東京駅12時発の踊り子10号に乗り合せ一路下田へ。車中、すぐに駅弁をつまみにビールで宴会が始まり、談論風発。あっという間に14時42分に伊豆急下田駅に着く。駅には今回いろいろとお世話をしていただいた北村まり子さん(三木さんの元部下)がマイクロバスでお迎えに来てくれていた。幸い激しく降っていた雨も止み、われわれのこれからの旅の幸運を示唆しているようだった。

 

ホテルの前で。中央の女性が北村まり子さん
ホテルの前で。中央の女性が北村まり子さん

 チェックイン後、すぐに風呂に行く。内風呂も露天風呂も広く、泉質も抜群。特に露天風呂から眺める、伊豆の山の姿が美しかった。ついつい長湯し、すっかり身体が温まった。

 その後、宴会室で軽く飲む。いつもは誰かの部屋が宴会室になり、その部屋の住人はちょっと迷惑をこうむるが、今回は北村さんがスイートルームを宴会室として提供していただき、ゆっくりとお酒と話を愉しむことができた.

 夕食は我々だけの特別室に案内され、飲み放題の生ビールサーバーが用意されていて、ホテルの従業員の方がサーブしてくれる。あまりのサービスの良さに参加者が恐縮するくらい。紹介の三木義昌さん、北村まり子さんに感謝、感謝。

 食事は、下田名物の金目の煮付け他、豪華なメニュー。食べ切れないぐらいの食事を地ビール、地酒とともに愉しみました。

 

上原美術館の上原正吉ご夫妻の銅像の前で
上原美術館の上原正吉ご夫妻の銅像の前で

10月24日 予想外の美術品の展示に感動

 

 朝9時半にマイクロバスで出発。上原美術館を訪問。この美術館は大正製薬の創業者・上原正吉氏ご夫妻が収集した仏像を展示した「仏教館」と現名誉会長の上原昭二氏が集めた近代絵画の個人コレクションを展示した「近代館」からなっています。

 正直、個人のコレクションなので、それほどのこともあるまいと思っていたが、予想外の内容の充実さに全員感動。

 まずは、「仏教館」。入ると木彫の仏像が100体ほど並ぶ。その壮観さにまずは驚く。そして現在の企画展は「仏像で観る伊豆の平安時代」。当館の学芸員の方が、伊豆のお寺を調査し、平安時代に作られた仏像を所有するお寺から借り受け、展示している。学芸員の方の努力とともに彼女の的確な解説に全員感心しきり。 まずは、「仏教館」。入ると木彫の仏像が100体ほど並ぶ。その壮観さにまずは驚く。そして現在の企画展は「仏像で観る伊豆の平安時代」。当館の学芸員の方が、伊豆のお寺を調査し、平安時代に作られた仏像を所有するお寺から借り受け、展示している。学芸員の方の努力とともに彼女の的確な解説に全員感心しきり。

 次は「近代館」。昭二氏がご自宅に飾るために集めたものなので、小品が多いが、それがかえって品の良さを出していました。マチス、ピカソ、セザンヌ、岡鹿之助、梅原龍三郎など著名な作家の作品がずらりと展示されていた。その美しさに感嘆すると同時に、お値段も気になるわれわれでした。

了仙寺の住職の講話で目から鱗がぼろぼろ落ちる
了仙寺の住職の講話で目から鱗がぼろぼろ落ちる

 素晴らしい美術で目が洗われた後、訪れたのが「了仙寺」。このお寺は、ペリー来航のとき、幕府との交渉が数カ月にわたり行われたところ。その縁でお寺ではペリーやその周辺の資料を多数収集し、展示館も建てているほど。その寺の住職の話を聞いた。そんな寺なので、話の内容は法話といったものではなく、ペリーの時代の人々の日本、世界、日本人、外国人の認識についての話。古地図を次々と見せ、西欧人の日本に対する認識がどのように変化していったのかを具体的に示してくれました。また、ペリーの似顔絵や日本人を描いた絵などを示しながら、当時お互いがどのように見ていたかが話されました。目から鱗が落ちる話に皆感動。

 最後の締めは、蕎麦の名店「いし塚」。蕎麦湯割りの焼酎を飲みながら、細い腰のある蕎麦をすする。さすが名店といわれるお店の蕎麦に全員が大満足。

 良い気持ちになって、列車に揺られながら、帰途に就きました。

 

      (三木延義)

 

 

 


第23回秘湯巡り同好会

岸壁がそそり立つ秘湯・姥湯温泉の枡形屋

(2024年6月5~6日)

 

6月5日

 長年、本会の世話役を勤められた根来さんが急逝され、三木が役を受け継いだ最初の秘湯巡り。

 今回訪れたのは、山形の1200mの高地にある秘湯・姥湯(うばゆ)温泉。お宿は枡形屋。

 参加者は、田中健一、中重賢治、松尾正晴、三木義昌、西川潔氏と三木延義の6名。

 東北新幹線、やまびこ号に乗り合せ一路福島へ。車中、すぐに駅弁をつまみにビールで宴会が始まる。12時31分福島着。奥羽本線に乗り換えて13時19分、無人の「峠」駅着。

 宿の迎えの車に乗り、曲がりくねった山道を転落するのではないかと恐怖に怯えながら30分ほど登り、到着したのが標高1200mの高さにある枡形屋。

さっそくみんなで露天風呂に浸かる。お湯は真っ白な硫黄泉。背景には、岩がむき出しの岸壁がそそり立つ。まさに、地獄の釜の雰囲気。しかし、その岸壁の向こうの源泉から引き込まれているお湯は絶品。みんな大いに日頃の疲れを癒される。

 夕食は17時半から。残念ながら夕食会場は畳座敷。年寄りには厳しい設営。座椅子に坐って屈みながら食事をする状態。しかし、山形の郷土料理「鯉の甘露煮」が絶品で夕食を愉しむことができた。

 夕食後は、部屋で宴会。話題豊富のメンバー。酒と懇談は夜半まで続いた。

 

 

6月6日

 朝食後、7時50分のバスで峠駅に下る。福島に出て、福島市の名所の一つ、「花見山公園」を訪れる。桜の季節には見事な花を観ることができるが、ちょうど花の端境期。観るべきものはなく、山を軽く散策して、昼食会場の蕎麦屋に。

 店の名前は「そば処 喜多八」。地元の名店のようで、店の前には多くの待ち客。ひっきりなしに客がやってくる。われわれは奥の部屋で大いに盛り上がる。板わさ、卵焼き、天ぷらなどをつまみに地元のお酒を次々に頼んで品評会。締めに食べたお蕎麦も絶品。多くのお客さんが押し掛けるのも頷けた。

 喜多八で大いに満足し、福島より新幹線で帰路に就いた。

 いつもの通り、お酒、湯、会話を十分に楽しめた旅でした。

 

     (三木延義)

 

 


第23回秘湯巡り同好会「奥白布温泉・吾妻屋旅館」

(2023年12月8日~12月9日)

 

 東北地方には奥州3高湯と呼ばれる山形の蔵王温泉と白布(しらぶ)温泉と福島県の高湯温泉がある。その一つ白布温泉は標高850mにあり、さらに275mほど登ったところにある「奥白布温泉」は別名「新高湯温泉」とも呼ばれている。

 出発の1週間前、宿に電話で積雪状況を問い合わせると、4~50㎝はあるとのことで、アイゼン紛いの滑り止めを用意して出発しました。ところが暖冬の関係もあり、また直前に暖かい日が続きほとんど融けてしまっており、残念ながら雪見酒は叶わなかった。

 ただ自慢の露天風呂に行くには、半ばアイスバーン状態の雪道を歩かざるを得ないため、北国の雪の温泉を実感することができた。

 露天風呂は、冬場は3か所で、雪を防ぐために屋根はしっかりしているが、山の中でもあり、かなりオープンである。

 そのうちの1か所は石造りで、7~8人は入れそうな大きさであるが、西吾妻連峰の中腹1126m(イイフロ)の高さからの眺めは絶景である。

 また大木の根の部分を刳り抜いた臼のような浴槽や、幹の部分を刳り抜いたバスタブのような浴槽あり、なかなか面白い。

 


 

 源泉は55度とのことで内湯は少々熱めであるが、露天の方はちょうど良い加減であり、寒い中でもいつまでも入っていられそうである。

 秘湯の夜は山の中の一軒宿であり、また防寒のため二重窓になっていることもあり全く静かであり、聞こえるのは我々の声だけという感じである。

 いつもの通り地元の食材に地酒だけでなく、麓の山形県米沢市の米沢牛のステーキも併せて遅くまで楽しんだ次第です。

 翌日は、温泉からの帰りのバスで上杉神社の前を通ることが分かり、立ち寄ることにした。

 そこでゆっくりと散策し、米沢そばを味わうこととした。

 今回の旅は予想と外れ天候に恵まれ良かったのか、雪に合わずに残念であったのか考えると両方とも良かったのだと結論付けることとした。

 

(根来記)

 

 

 


第21回秘湯巡り同好会「ランプの宿・高峰温泉」 (2023年8月29日~8月30日)

 

 バスタ新宿10:35発の高峰高原行JR高速バスに乗車すると4時間弱で標高2,000mにある温泉宿の玄関前に到着する。

 これが秘湯かと思われる便利の良さであるが、1日この1便しかない。

 高原のカラマツ林に囲まれヒンヤリした空気は、今夏の猛暑も忘れさせてくれる。

 この宿の売りの一番は何といっても標高2000mの展望露天風呂であろう。

 宿から数十メートル林の中を歩いたところに男女2か所ある。定員はそれぞれ4人しか入れない。

 眼下には標高差1,300mも下の小諸市街が見下ろせる絶景である。(写真添付)

 露天風呂の良さは屋根がないというだけでなく、展望も重要な要素の一つと思われる。

 ちなみにこの宿の浴槽は男女各露天1、内湯2の計6か所あり、すべて木造りの優しい湯である。


 

 環境問題対策として、浴槽だけでなく洗面所等も石鹸は置いていないという徹底ぶりで初めての経験であった。

 また、宿が主催して自然観察会を催しているのも特徴である。

 一つは、星の観望会が開かれ社長自身が説明してくれる。玄関前の広場に設置された数台の天体望遠鏡を使いながら、星々の説明を受けることができた。

 ただ残念なことに当日は地球と月が最も接近する満月の前々日であり、また夜になって雲が湧き出たこともあり満天の星空を楽しむことはできなかったが、小生にとって初めて天体望遠鏡で星をみることができ良い思い出でもあった。

 今一つは、朝食前の30分間野鳥観察会も開いて説明してくれる。ただ夏は山に餌があるので、餌付け場所にはあまり寄ってこないそうだが、当日はキジバトが数羽等の他、野生のテンなども見ることができた。

 いずれにしても従来の温泉宿と違ったユニークで楽しい宿である。

 

 翌日は1,300m下って小諸市に向かった。いつもは近くの蔵元を訪問し試飲させてもらうことが楽しみであったが、小諸駅周辺には蔵元がなく個人経営の小さなワイナリーを見学した。

 小諸市の観光といえばすぐ懐古園を思い出すが、江戸時代の北國街道の1番の宿場であり、地元のボランティアのガイドさんにお願いし昔の街道筋を案内してもらうことにした。

 江戸、明治、大正の建物も多数残っており趣深い街道であるが、最後は駅前のカフェレストランで、見学したワイナリーのワインを堪能した次第である。

 

(根来記)

 

 


第20回秘湯巡り同好会「蛇の湯温泉・たから荘」(2023年3月30日~3月31日)

 

 前回は秋田県まで遠出したため、今回は近場ということで東京都を選んだ。

 檜原町をご存じでしょうか。島嶼部を除く東京都で唯一の村、面積は奥多摩町、八王子市に次ぐ3番目、それで人口は4,000人程度となれば想像はつくと思います。

 東京駅から中央線、青梅線、五日市線を乗りついて1時間半、その後バスで1時間終点のところに宿がある。周りは20mを超えるような杉などの大木の山で囲まれて、裏には最終的には多摩川に流れて行く2~3m幅のせせらぎが流れているだけである。

 

 

 

 その静寂そのものの環境の中に萱葺屋根の宿がある。

 宿泊用は5室しかない家族経営のこぢんまりとした宿であり、我々だけで占拠の状態であった。

 温泉は単純硫黄冷鉱泉で加温をしている。湯はメンバーの一人が味見をしたところ甘い感じがしたとのことであるが、柔らかく心地よい湯で、長い時間入っていられる湯です。

 浴室は宿の規模に合わせて若干狭い気がするが、余計な装飾がなく木造りの鄙びた感じがする湯であった。

 

 今回も食事は素晴らしかった。

 子供さんを含めた家族総出で近所からとってきた、いろいろな山菜料理にヤマメの塩焼きを地酒で味わうことができた。ほとんどのメンバーはヤマメの乗っていた皿には骨も残っていなかったし、〆に出てきたご主人の打ったそばも絶品で、やはり食べ過ぎたようだ。

 

 当日は曇っていたせいか満天の星空というわけにはいかなかったが、夜はせせらぎ意外な何の音もしなかった。

 宿のそばの秋川上流に5~10m程度の滝が何か所もある。(檜原村には滝巡りという観光コースがある)

 我々は到着すぐと、出発前にそれぞれ徒歩15分くらいの2か所の滝見散策をした。いずれも派手ではなく素朴な村のきれいな滝であった。

 

 朝食の腹ごなしを済ませて我々はまたバスでJRの駅がある五日市に戻った。ここは東京の杉並を起点とする五日市街道の終点である。五日市で2つに分かれ1つは檜原街道として宿の方向への道となる。

 いつものようにここで昼食会を催すこととした。店は創業150年を超える製麺業のオーナーが20年ほどの前に手打ちそばを始めたという老舗。

 ここでも地元で採れた数種類の山菜の天ぷらだけを頼み、そば焼酎と地酒を味わった。山菜の名前は忘れたが追加注文が続いた。またもともと蕎麦屋さんであり蕎麦も言うことなしであった。

 

 今回も満足できる旅であった。

 皆様にも東京の田舎を堪能できるコースとしてお勧めしたい。

 2月は雪、4月は桜、10月は紅葉というのがお薦めのようです。

(根来記)

 

(2023年4月10日掲載)

 


第19回秘湯巡り同好会「泥湯温泉・奥山旅館」 (2022年11月17日~18日)

久しぶりに秋田に向かう。

計画時点では遅い紅葉か早い初雪かを期待したが、ちょうどその間に入ってしまった。

青森の恐山、富山の立山と並ぶ日本三大霊地の一つと言われている川原毛地獄へ歩いて30分程度。硫化水素のにおいも漂うまさに秘境の湯の立地である。

宿到着後全員でこの川原毛地獄を見物に出かけた。三途の川(実在)を渡り山道を登って向かったのですが、いずれ数年内には来る可能性大であり、今日のところは入り口止まりとした次第である。(写真添付)

 

地獄入口への散策の後、温泉名の通りの露天の濁り湯を堪能する。飾り気のない自然だけの露天風呂は、少々硫黄のにおいが漂う中ゆっくりと温まれるいい湯であった。

湯がいいのは当然であるが、地元で採れたと思われる山菜中心の食事に、さすが酒処秋田の地酒はさすがに美味であった。

東京ではあまりお目にかかることがない銘柄の酒も味わい深かった。

最寄りのJRの駅は奥羽本線湯沢駅で、湯沢市は小野小町の生誕の地といわれている。

物好きな我々は、宿から駅への帰途にその生誕の地と言われているところへ見物に向かった。やはり物好きだったようである。

それよりも湯沢駅で列車待ち約1時間もあり、駅前でブラブラしていると、地元のボランティアで観光ガイドをしている方に声をかけられた。

正直に言ってあまり期待はせずに案内をお願いすると、ガイドブックなどにはない風物を案内いただき、前述の小野小町と関係あるのかお盆には、市内の街角を美人画が飾られるという。それも市内の住人の皆さんが描かれたものだそうだ。その一部が保管されている記念館も案内してくれたが感動した。(写真添付)

何か湯沢市の意気と粋を感じた次第である。

 

 

最後は恒例の食事会で、花火で有名な大曲駅に近い料理屋で、きりたんぽ鍋と秋田の地酒を堪能した次第である。

今回は秘境と秘湯を味わうことができ、また何人かの参加者から今までの秘境巡りの中で食事と酒はトップクラスとの評価をいただいた。

皆さんも機会があればぜひと思う次第であります。

(根来記)

 

 

 

 

 

 


第18回 秘湯巡り同好会「松之山温泉・凌雲閣」(2022年6月23~24日)

2年半ぶりの開催となった。

今回訪れたのは新潟県松之山温泉です。「こしひかり」で有名な魚沼地方で、冬には4mを超える雪に埋まる豪雪地帯の真ん中である。

松之山温泉は伝説では7~800年前に源泉が発見されたいい、江戸時代にはすでに湯冶場として数件の宿があったといわれている。

今でも温泉街には8軒ほどの宿が軒を並べているようです。

我々の宿は温泉街から離れた山に囲まれた一軒宿です。

建物は昭和初期当時の豪雪地帯の建築技術として、国の登録有形文化財になっており、改修も難しいようで古い佇まいがそのまま残っている。

大事な泉質は塩化物泉で、塩分濃度は1.2%だそうで、かなり塩っぱい。

この正体は1,200万年前に地中に閉じ込められた「化石海水」にあるとのこと。

太古の1,200万年前の海水、ズーーと近くなって800年前、江戸時代そして昭和の初めという時の流れを考えながら温泉を味わうと感慨深いものがありました。

夕食時に宿の女将と話す機会があった。実に前向きな考えの持ち主で、このコロナ禍で客足が減ったのを逆手に、他の秘湯の宿を学びに行ったそうである。

色々と秘湯選びのヒントをいただいた。

その後当会恒例の、鶴齢をチビチビと懇親会。

硬軟取り混ぜたフリートーキングはいつも通り。それに女将の意見を参考に次回の行き先も併せて相談することとなった。

今回の旅行では特に観光地や訪問先も何もない、あるのは緑と湯と越後の酒だけであったが、それで2年半の空白を埋めるには充分であった。

ただ、この2年半の空白による酒量の衰えはやむを得ないところかな・・・

 

(根来記)

 

 


バーチャル蔵元見学 (2021年3月10日)

 

秘湯めぐりの会は同好会の中でも、最も3密の場を作り出すグループの一つです

2020年3月に伊豆舩原温泉を計画していたのですが、ご承知の通りの状況で中止とし、それ以降1年以上活動を停止していました。

我々の旅は秘湯を味わうだけでなく、地元の蔵元を訪れ、見学とともに地酒を味わうことも大事な楽しみの一つです。

今年になりメンバーの一人から、蔵元の3DVRでの工場見学ができるという話があり、これに飛びついた次第です。

 

1.開催

  2021年3月10日  ZOOMによる3DVR蔵元見学

 

2.参加人員

  当方 9名

  関係者 3名(醸造会社専務、ソフト開発会社社長、仲介者)

 

3. 内容

 1) 見学先

   秋田県横手市 日の丸醸造株式会社

   元禄2年〈1689年〉創業  主力ブランド「まんさくの花」

 2)見学内容

   通常の酒造りの工程を映像で説明および地方の中小酒造業の抱えている課題とこれからの展望説明を受ける。

 3)所感

   他の蔵元では見られないアングルの画像があり、初めての試みであったが、有意義であったと自画自賛している。

 

4. まとめ

  初めての試みであり、3Ⅾゴーグルを準備しなかった等の初歩的なミスもあり反省している。

  ただ今回の最大の課題は蔵元見学では付き物である試飲ができなかったということであった。

  次回の秘湯めぐりは横手・大舘方面を検討したいと思っている。

  なお、同社の社長は某銀行の梅田支店長からの転身であり、いろいろと面白いことに取り組んでおられ、

  何かの折にでも「まんさくの花」をご賞味いただければ幸甚です。

 

(根来記)

 

 


第16回秘湯巡り同好会「川俣温泉郷・平家平温泉」

(2019年12月2日~12月3日)

 

 東武鬼怒川温泉駅から、バスは鬼怒川沿いに狭い道路を上流へと向かって上ってゆく。

 日光市営の路線バスであるが、乗客は我々を除くと外人旅行者と学生風の旅行者のみ。途中のバス停では停まることなく、運転手がガイドも務め、トイレ休憩も付いた観光バス並みである。 

 途中五十里ダムや、八汐湖、川俣湖といったダムサイドや切り立った崖の曲がりくねった狭い道路で、雪が積もったらどうするのか心配しながらの道中である。

 まさに秘湯の宿への行程である。

 1時間半ほど走った山の中にひっそりと一軒の宿だけがある。地図で説明すると、日光白根山と男体山の丁度裏側で標高1400mの地である

 出発日は横浜、埼玉は曇り、東京は土砂降りの雨というわけのわからない天候でしたが、到着時の現地は小雨模様。

 案内書ではこの宿の売りは露天風呂ということでしたが、冬の高地の小雨の日の露天風呂はきつい。それにもめげずに露天風呂へ。

 やはり小雨では周りの風景を楽しめず、内湯で温まり恒例の宴会となる。嬉しいことに海の魚の刺身はなく山菜尽くし。また酒はいつもの通り地酒で日光今市の日光誉・清開を楽しむ。

 翌日は雲一つない快晴、木々の葉は皆落ちて山肌が露出しているが、渓流に耳を傾けながらの露天風呂は心地よい。

 この日は快晴にもかかわらず、ほんのわずかではあるが雪が舞っていた。雪が降るのではなく、舞う状況での露天風呂はえも言われない気分であった。

 また、当日は女性客がいないということで、宿の方で女湯もどうぞという話があり、そちらを味わったメンバーもいた。

 彼らの感想では、男湯と違った優しい造りの浴槽で、趣があったそうである。

 この温泉の泉質はナトリウム塩化泉という比較的一般的な温泉だあり、湯も柔らかい、いい湯です。

 今回は12人の参加者であったが、参加者の感想は秘湯らしいいい湯であったということです。

 

(根来記)

 

 


第15回秘湯巡り同好会「芦ノ牧温泉」

(2019年 7月18日~ 7月19日)

 

まだ梅雨明けはしていないところに、台風の影響もあり西日本は大雨の被害を被っている。同様に東日本の天気予報も雨マークです。

そんな中、本会始まって以来最大の参加者13名で、福島県にこだわって会津へと向かうこととなりました。

ローカル線の時間調整もあり、郡山で途中下車しアサヒビール福島工場見学することにしました。最大の目的は出来立ての美味いビールを試飲させて貰うことです。

ところが予約の時間を30分以上遅れ、工場の昼休みにぶつかってしまいましたが、わざわざ東京から来てくれたという理由で、我々だけで1パーティを作って引き受けていただき、本当の目的であるスーパードライも3杯試飲させていただいた。

これには我々メンバーはその対応に大いに感激し、今まで別メーカーのビールをアサヒに変えるという方も出てきた次第です。

宿の仙峡閣は無色透明の硫酸塩・塩化物泉で湯は源泉かけ流しで若干熱めの感じがしますが、露天風呂からの眺めも新潟まで流れる阿賀川(阿賀野川の上流)を見下ろしながらゆっくり楽しむことができます。

また 武を重んじる会津らしく、会津若松市内の武徳館(武道館)を移築したそうで立派な建物です。

 

この宿に入ってから、明け方までずーっと雨が降っていたようですが、我々は会津の地酒を存分に味わって、昏睡状態でしたのでよく分かりません。

 

翌日は会津若松市内を散策し、地酒で有名な会津若松市内でも有名な蔵元末廣酒造を見学し、当然試飲を忘れることはありません。

この蔵元は嘉永年間1850年に創業とのこと、単に日本酒のプロセスを案内の他に、蔵元と歴史や野口英世との関係等を説明していただき興味深く聞くことができた。

その後末廣酒造の酒を味わえる蕎麦屋に行き、同蔵元の複数のブランドの品評会を行いながら会津のそばを食した次第である。

この蕎麦屋に入った瞬間大粒の雨が降ってきましたが、さて帰ろうと思った時には上がっていました。

傘を持って行動しましたが、一度も使わず仕舞いでした。これは悪運の強いメンバーが集まったせいかも・・・

今回も、温泉、酒、地域は十分味わえたと自負しております。

 

(文責 根来)

 


第14回秘湯巡り同好会「たんげ温泉」

(2019年 3月19日~ 3月20日)

 

JR上越線の渋川駅から始まるJR吾妻線沿線は伊香保温泉から草津を経て万座温泉に至る温泉路線でもある。伊香保温泉の入り口である渋川駅と草津温泉入り口である長野原草津口駅の中間にある中之条駅からはこれまた有名な四万温泉がある。

この中之条駅から四万温泉へ行く道を離れて山間の道の行き止まり付近に有名な温泉場とは違った、たんげ温泉「美郷館」はある。

木々に囲まれ、せせらぎの音が優しい正に一軒宿の秘湯の湯である。当然携帯の電波も届き難いところです。

ところがオーナーは林業を営んでいるとのことで、建物の構え・造り・内装のすべてに高級な木材を使用した素晴らしい宿である。

風呂は数ヵ所あり、それぞれ特徴があって楽しめるが、なかでも圧巻はライトアップされた木々に囲まれた滝を見ながら入る湯もあり十分堪能できる。

泉質はカルシウム硫酸塩泉(石膏泉)で、高血圧症や動脈硬化症、脳卒中等に効能があり、我々世代には絶好の温泉であろう。

湯がカルシウム硫酸塩であるためか、宿のそばの川底には藻が生えずに白く、流れる水は少し青味がかっていて神秘的な感じがする。

恒例の夕食会はうまい料理に舌鼓を打ちながら地酒を楽しんだ。女将さんにうまい料理について話していたら、お米も新潟県の契約農家から直接仕入れているとのこと。

当方のメンバーが新潟の農家で知っている唯一の方の名前を話したところ、まったく奇遇というかズバリその方であった。わがフォーカスワンと親しくお付き合いして頂いている妙高市のI氏であった。

その後女将がI氏電話したようで、I氏から地酒1本を差し入れして戴いた。I氏に感謝した次第である。

翌日、中之条町に戻ってその地方の民俗と歴史の博物館「中之条ミュゼ」を訪れた。同館は史料の保存状態が極めて良く、地方の歴史的生活状態の移り変わりが理解することができる。

運よく館長と思われる方と話す機会ができ、中之条町の面白い歴史の説明を受けることができた。

例えば、渋谷区青山の地名の発祥は中之条の青山にあるとのこと、あるいは真田忍者の本拠は中之条にあって、今でも末裔が存命であり、物的資料も残っているとのこと、来年には中之条で初めての全国忍者サミットを行うとのことで張り切っておられた。

いずれにしても、秘湯を味わうだけでなく、女将やその地方の在住の方と触れ合うことも秘湯巡りの会の楽しみでもある。

 

(根来記)

 


第13回秘湯巡り同好会「五頭温泉郷・出湯温泉」

(2018年11月6日~11月7日)

 

五頭温泉郷・出湯温泉を正しく読むことはできるでしょうか。ゴズは読めますが、イデユではなくデユと読みます。

新潟駅から東へ列車又はバスで1時間強、越後平野のはずれにあります。

宿の「清廣館」は300年以上前宝永年間創業で、現在の建物も90年前に建てられた木造3階建てで、国登録の有形文化財にも登録されています。

100%源泉かけ流しのラジウム泉で湯加減も心地よく、いつまでも入っていたい湯です。

メンバーの年齢構成を見ても、効能の神経痛、筋肉痛、関節痛あるいは高血圧、動脈硬化などの成人病に有効とのこと。

温泉を楽しんだ後、いつも通り酒どころ新潟の「鶴齢」や「麒麟山」といった地酒を味わいながらの夕食。

料理は正に地元の山菜やキノコを中心とした素朴な郷土料理を満喫することができました。

翌朝宿を6時半に出発し、バスで15分程度の所にある白鳥の渡来で有名な瓢湖に出向くこととしました。

毎年この瓢湖には10月から翌年の3月までロシアから約6000羽の白鳥が越冬のため渡来するとのこと。(詳細は阿賀野市のHPを参照ください)

私どもが訪れた11月7日は約5100羽白鳥が渡来していたとのことで、狭い湖を埋め尽くすような白鳥の群れは圧巻であった。

その後、宿に戻り冷えた体を温泉でゆっくりと温め、朝食時には白鳥の話題で盛り上がりました。

湯、酒、料理とそれに白鳥を堪能した一泊であったが、何よりも宿の御主人と女将が家族的で親切なもてなしが一番でした。

2日目は新潟に戻る途中、新発田市で途中下車し、清水園という庭園を訪れました。ここは新発田藩溝口家の下屋敷であったところであるが、4600坪という狭い園内はきれいに整備されており、正に名園といわれるだけのこと貼ると感じた次第です。

残念なのはちょっと紅葉に早かったという後悔が残る。

園内には新発田の資料館があり、新発田が生誕地である堀部安兵衛に関わる資料が多数展示されていることを付け加えておく。

また本会の恒例である地方の酒蔵巡りでは、新潟駅近くにある「今代司酒蔵」をも訪問し、試飲を楽しんだ次第である。

        

(根来記)

 

 

 


第12回秘湯巡り同好会「赤城滝沢温泉」

(2018年5月31日~6月1日)

 

 梅雨の走りを思わせる天候の中、総勢7人で新幹線高崎経由、上信電鉄大胡駅(おおご)(旧大胡町)に向かいました。

電車に乗っている間は凄まじい豪雨で、今回の小旅行の行く末が案じられた。

大胡駅には宿の迎えを受け、雨は殆ど納まっていたので、宿の方のご厚意で途中の赤城神社に立ち寄ることになりました。

深い木立の中、雨にかすんだ神殿はまさに神秘的であり、普段の心を洗わなければならないメンバーには絶好の場所でもありました。

そこで今回の小旅行の安全を祈願しました。

宿も緑の大木に囲まれた谷間を流れるせせらぎの傍に立つ一軒宿です。

せせらぎの傍の露天風呂は直径が6m位のほぼ円形で、皆でゆっくりと顔を向い合って入浴することができ、風呂際に立つ高さ15m超と思われる2本の欅の木の葉が屋根代わりで日差しも遮り、周りの風景は大木の緑に覆われた温泉です。

夕食は誠に素晴らしいもので、女将直々手作りの素朴で、野趣あふれる山菜料理を楽しみながら、地酒の「赤城姫」を堪能したことは言うまでもない。

翌日は赤城神社の霊験あらたかなことによるか、メンバーの日頃の行いによるか分かりませんが、晴天に恵まれました。

宿の近くにある「群馬フラワーパーク」に立ち寄り、晴れ上がった青空のもと、色とりどりの美しい花と、南国の熱帯植物園を心行くまで観賞し、日頃の生活から離れ、健康的な時間を送ることができた。

最後は高碕の蕎麦屋で、昼間から「ほろよいセット」なるメニューをオーダーしそば湯割りで締めとしました。

東京から電車でも車ででも約2時間で行けるところに、緑に囲まれ人里離れた場所があり、心休まる秘湯があるのは素晴らしいことだと感じた次第です。

 

(根来記)

 


第11回秘湯巡り同好会「奥秩父柴原温泉」

(2018年2月8日~9日)

 

都心から西武鉄道、秩父鉄道を乗り継いで2時間半くらいの所にある奥秩父柴原温泉を今回は総勢10人で訪れました。

池袋からレッドアロー号で秩父到着後まずは秩父神社を訪れ、今回の旅の安全を祈念した。

続いて秩父神社のすぐ近くにある、秘湯めぐりの会恒例の蔵元を見学することになる。

その店舗は200年以上前に建造された、今は国指定の登録有形文化財となっている由緒ある蔵元です。

雄弁な社長の案内で見学の後、日本酒の講釈を聞きながら、今まで知らなかった日本酒をブレンドする飲み方なども聞け、試飲もかなり進んだようです。

残念ながら、正に地酒で秩父地方だけでしか販売していないとのこと。

 秘湯の宿は、建物は比較的新しいようであるが、建て方は古い温泉宿のイメージがあり気持ちの良い宿であった。

浴室は宿の名前の通り、榧(かや)の木つくりで気持ち良く湯を楽しむことができた。

料理も絶品で、カジカの塩焼きなど、奥秩父山間の食材が並び、全員完食であった。当然酒も進み、前述の蔵元の地酒を知り得たばかりの飲み方で大いに楽しんだ次第である。

食事の後も別室に皆が集まり、大いに酒を楽しみ、大いに語り、大いに笑い誠に健康的(?)な一夜でした。

 

翌日は厳寒期の秩父名物である三十槌(みそつち)の氷柱を観光。これは荒川の崖からしみ出る岩清水が凍ってつららとなった所である。

 

その後、もう一つの秩父名物である蕎麦と地酒で冷えた体を温めたことは言うまでもありません。

 

(根来記)

 

 

 


第10回秘湯巡り同好会「大塩裏磐梯温泉」

(2017年10月16日から10月17日)

 

北の方から紅葉前線が下がってくることに合わせて、今回は総勢6人で福島県喜多方市の北にある、大塩裏磐梯温泉米澤屋を訪れることになりました。

泉質はその名の通り塩化物強塩泉(といっても海水の1/3程度)であり、体の芯から温まる、気持ちの良い温泉です。

古くはこの温泉水を煮詰めて山塩を作っていて、会津藩の御用塩となっていたそうです。

秘湯というとおり、付近には何もないところですが、岩魚、山菜、きのこといった郷土料理と喜多方の酒を堪能できました。

山塩をかけて食べる山菜のてんぷらなど絶品です。

 

それに付け加えて、前回の真田温泉もそうでしたが、添付の写真をご覧いただければ気づくと思いますが、超美貌の女将さんです。

体の芯から満足できる温泉と宿でした。

前日の雨と打って変わって、快晴の翌日は揃って会津若松市内と鶴ヶ城の紅葉を見物することとしました。

鶴ヶ城を急いで見物した後、会津の有名地酒が揃っている店に入ったりしながら会津若松市内の観光を行いました。

昼食は駅の観光案内所で、市内で最も有名な蕎麦屋を紹介してもらい、早速地酒の品評会を開始。

温燗から常温、冷酒まで何種類か注文し、郷土料理と一緒に種々味わいました。

さすがに福島は日本酒の品評会で金賞受賞ブランドが5年連続トップの県。

好き好きは別として、どれも美味なお酒でした。

今回は、温泉と郷土料理と酒の三拍子に美人の女将さんに十分満足でした。

ただ一つ、ちょっと時期が早かったため紅葉は楽しめなかったのですが、帰りの車中は顔を紅葉して帰ってきた次第です。

(根来記)

 

 


第9回秘湯巡り同好会「角間温泉」

(2017年6月5日から6月6日)

 

第9回は真田の隠し湯といわれている、角間温泉「岩屋館」に7名で訪れました。

宿は北陸新幹線上田駅からラグビー合宿で有名な菅平方面で、路線バスで約30分、宿の迎えの車で約10分と比較的都市部に近いところにありますが、テレビの地上波が受信できない、携帯も制約されているような、まさに秘湯です。

宿周辺は、真田らしく「猿飛岩」等講談の世界の真田十勇士が鍛錬に励んだであろうと思わせる切り立った岩場が多々あり、これも秘湯らしい景観があります。

宿の前を角間渓谷の水が流れており、絶え間ない水の音がより静けさを感じさせるような風情です。

温泉は炭酸水素泉で、高齢者の整形外科領域には万病に効きそうですが、メンバーの一部は露天風呂出口にある湯上りのワインをかなり楽しんだようです。

翌日は上田市内を散策。

同行7人のうち、2人が長野県立上田高校ということで、まずは同行を訪れ立派な正門前で記念写真としました。

そのあと地元のガイドさんに案内していただき、上田城跡を見て回った後、メンバー全員が酒との縁が切れず、蔵元を見学。

いつもお世話になっている千年の「鶴齢」ではなく、万年の「亀齢」(きれいと読む)という銘柄を造っている岡崎酒造を見学。

昨年の関東・信越地区の品評会の吟醸酒部門で第1位となったそうで、また杜氏が女性で1位となったのは初めてということで、元美人の女将さんと娘の美人杜氏と話が盛り上がり、帰りの新幹線の酒を買うことになりました。

二人は銘柄同様「きれい」な人でした。

いずれにしても、昨年だったら真田まるの関係で大変だったのだろうと思いましたが、天候にも恵まれた楽しい2日間を過ごせました。

 

 

(根来記)


第7回秘湯巡り同好会 「黒薙温泉」(2016年5月16日~17日)

 

第7回目は富山県黒部峡谷に新緑を求め黒薙温泉に一泊二日で出かけた。総勢10名、北陸新幹線で黒部宇奈月からトロッコ列車に乗り黒薙駅下車。ここから温泉までは800Mほどの一本道の山道を約20分歩かねばたどり着かない。

山小屋風のひなびた旅館、直ぐわきに黒部川支流の雪解けで増水した水音が心地よいを通り越した勢い。

お湯は肌に柔らかな単純泉、源泉では93度の高温で、ここから麓の宇奈月温泉までパイプで運ばれている。

川べりに露天風呂が二つ、新緑もよいが紅葉の季節が素晴らしいらしい。

夕食は山菜中心、岩魚の骨酒とともに満喫し、この夜はいつもとは違い皆早めに床に就いた。

翌日は雨ながらトロッコ列車で終点の欅平を往復、ここも景色はなかなか。

時間的に余裕があったので帰途糸魚川で下車、フォッサマグナ博物館を見学した。ここはヒスイの有名な産地でもあり石のプロである児玉さんから解説を聞きながら皆見入っていた。近くに来たら寄ることをお薦めする一見の価値がある博物館。

このあと海の近くで地のさかなを味わい帰途についた。

(文責 大熊)

 


第6回秘湯巡り同好会 「乳頭温泉」

(2015年11月30日~12月1日)

 

第6回を迎えた今回は知名度の高い秋田県の乳頭温泉を訪れた。

一年中客が絶えない人気の温泉だが紅葉も終わり少しだけ暇な時期を選んで11月30~12月1日の一泊二日。

総勢9名、田沢湖駅から山に入るにつれて雪が深くなり、秘湯の雰囲気が増して来る。途中で宿の送迎バスに乗り換えてやっと鶴の湯、本陣に到着。囲炉裏のある昔ながらの部屋で休む間もなく大きな露店風呂へ。小雪が舞い散り硫黄の香りが漂う、山深い雰囲気。

部屋に戻ると持参の酒でいつもの様に政治、経済から芸能まであらゆるジャンルを網羅した2時間にわたる懇談。

夕食は地の山菜、芋煮鍋、イワナの骨酒などでまた酒が進む。

さすがに終わった後は部屋に戻ってすぐに寝付く人がほとんどだった。

 

    12月1日に一新された「湯めぐり号」の前で
    12月1日に一新された「湯めぐり号」の前で

翌日も小雪の中温泉につかり、チェックアウト後近くにある2か所の温泉を巡った。鶴の湯とは泉質が違いそれぞれに楽しめた。

バスで田沢湖駅に戻り駅前の食堂で昼食、ここでもお酒につまみ、しめにお蕎麦を楽しんだが昨日の勢いをそのまま持ち込んだペースで一番喜んだのはお店ではないかと思うほどの支払額であった。

午後は角館の武家屋敷を見て回った。混み合う桜の季節とは違い、観光客はまばらで閑散としていたが逆に静かで趣のある散策であった。

これで全日程は終了し秋田新幹線で夕方東京に到着、今回も盛り沢山の旅となった。

(文責 大熊)

 

 

 


第5回秘湯巡り同好会 「奥鬼怒温泉」(2015年6月3日~4日)

 

6月3~4日にて、奥鬼怒温泉郷の最も奥にある手白沢温泉に行った。参加者10名。

単純硫黄泉で、湯温も高いかけ流し温泉。眼下には手白沢の流れ、見上げれば雪の残る日光連山が見渡せる露天風呂は、まさしく心がいやされる温泉。

 

平日で客も少なく静かな雰囲気の中で、我々だけは大いに盛り上がり、山菜、イワナなどの季節の料理を肴に、今回もやや飲みすぎたか。

翌日は足尾銅山を見学。縦横に掘られた坑道の全長は、東京から博多までの距離に達することに驚き、また先月の例会での野崎さんの講演を反芻しながら、昔の栄華を偲ぶことができた。

(文責 大熊)


第4回秘湯巡り同好会 「法師温泉」(2015年1月29日~30日)

 

今回は新潟県との境に近い群馬県法師温泉を8名で訪ねた。

新潟の米を関東に運ぶ三国街道に沿った法師川にある一軒宿で、弘法大師が巡錫の折りに発見したと言われる。

与謝野晶子も投宿したこの宿が有名になったのは、高峰三枝子が登場したJRのコマーシャル。

透明なカルシウム・ナトリウム・硫酸塩泉は40℃、底に敷いた石の間から湧き出る源泉かけ流し。外の雪景色を見ながらゆっくり浸るのがよい。食事も質、量ともに満足感たっぷりで地酒のピッチも早くなる、ここはおすすめの温泉です。

 

翌日は前夜から降った雪が降り続き、宿の前も相当な積雪となっていた。途中、高崎駅で下車し、昨年世界遺産に指定された富岡製糸工場を見学した。説明員が無料で分かりやすく説明するサービスはよいが、建物の保存管理はもっとしっかりすべきではとの印象であった。

(文責 大熊)

 


第3回秘湯巡り同好会 「姥湯温泉」(2014年10月16日~17日)

 

第3回秘湯巡りは7人の参加者で山形県の姥湯温泉を訪れました。

奥羽本線の福島と米沢の間にある無人駅の峠駅から約8KM山あいにある人気の一軒宿の温泉、アクセスは宿の送迎バスか歩くかのいずれかです。

駅でバスを待つ間に「峠の茶屋」で力餅(柔らかく、種類もそろいお勧め)を頬張り、宿の入り口まで約30分のドライブ、吊り橋をわたり徒歩数分で到着です。

 

ここは単純硫黄泉で内湯のほかに岩山に囲まれた沢沿いに3つの露店風呂、この時期は紅葉の見ごろで露天風呂からの眺めはまさに圧巻でリピーター客が多いこともうなずけます。一日目はガスがかかって幻想的でさえありました。

2日目は米沢まで行き、上杉家ゆかりの神社、造り酒屋を見学、昼食に米沢牛をいただき全員満足感たっぷりに帰途につきました。

秘湯にふさわしい、本当によい温泉でした。

 


第2回秘湯巡り同好会 「湯の網温泉」(2014年4月24日~25日)

 

第2回目の活動は4月24~25日、一泊二日で5名の参加者を得て茨城県の福島との県境に近い、湯の網温泉鹿の湯松屋にて行った。

大津港から少し山あいに入った里山風景が広がる一軒宿で老夫婦が切り盛りしている、のどかな宿であった。

江戸時代に鹿が浴していたのでこの名がついたといわれる温泉は含鉄の鉱泉で深い赤色をしているかけ流し、浴槽が大きくはないのが難点だが時間をかけて静かにゆっくり湯に浸ることができる。

 

 夕食は地魚に加えてこの宿名物のキンキの塩焼きが一人に一匹ずつでてくる。頭からしっぽまで、骨までまる一匹食べられ酒も大いに進む。宿のおかみさんが東京中野の出身と聞きこの夫婦のなれそめなどを勝手にあれこれ想像したり、STAP騒動、政治の話まで話題は尽きずそれでも日付が変わる前には全員が床に入った。

 

 翌25日も快晴、春真っ盛りの中宿のご主人の案内で勿来の関、風船爆弾打ち上げスポットを回った後、五浦(いづらと読む)にある岡倉天心美術館に足を運んだ。横山大観、菱田春草など近代日本画の作家の作品とともに天心の歴史、功績をわかりやすく説明したこの美術館は近くに行った際は是非お勧めしたい素晴らしいものである。

 美術館からは大津港駅に戻り午後に帰途に就いた。

次回は紅葉の季節に東北のひなびた秘湯を巡る予定である。

(文責 大熊)

 


第1回秘湯巡り同好会 「裂石温泉」(2014年1月27日~28日)

 

「秘湯巡り同好会」は1月27~28日に、9名の会員の参加を得て、山梨県甲州市塩山にある裂石温泉雲峰荘に行ってきました。

この温泉は大菩薩峠の麓にあるアルカリ性単純泉で古い歴史をもっており、神経痛や関節炎などによく効き、地元の人達が農閑期に今でもよく訪れるそうです。

皇太子が大菩薩峠にハイキングに訪れた折、この宿で入湯されたことでも知られています。

風呂はこのあたりに沢山ある花崗岩をふんだんに使ったもので、特に露天風呂は4~5mはあろうかという花崗岩の一枚岩の天井が湯船を覆っていて宿のシンボルになっています。

強い冷気の中、周りの山峡に残る残雪を見ながら、すぐ側を流れる重川のせせらぎや小鳥の声を聞きながら入る露天風呂は心地よい時間を独り占めしている気分にしてくれます。

 

五穀米のご飯、古代米黒米の餅、手作り野菜の数々、地元産のワインやミネラルウオーター、枯露柿(干し柿)など食べ物にも参加者全員大いに満足しました。

宿近くの中里介山記念館や雲峰寺、恵林寺などを見て回り、参加者一同充実した旅を味わうことができました。

 

今後秘湯巡り同好会は年4回実行を目指し、次回は4月に実施すること、次回以降の幹事は大熊 邦雄さんにお願いすることで無事、第1回目の旅を終えました。

(文責 児玉)