オペラ同好会


活動報告

第12回オペラ同好会

 

11月26日、新国立劇場で、プッチーニーのトスカを楽しむ。

新国立の出演者(ヨーロッパで活躍するソリスト)は、いつもながら充実した歌唱力で、今日も観客の期待を裏切らなかった。やはりヨーロッパは質の高いソリストがそろっている。

特に、このオペラの最も有名な二つのアリアである、カヴァラドッジの(星は光りぬ)とトスカの(歌に生き、恋に生き)は素晴らしい。中でもトスカのホセ・シーリは秀逸だった。

相変わらず満員の観客で、ブラボーも飛び交い、我々も幸せな気持ちで劇場を後にした。

余談であるがホセ・シーリが12月に新しいオペラの主役を歌うと聞き、短期間に歌詞と旋律をよく記憶できるものだと驚いた。

 

 オペラ同好会は、ポピュラーなオペラを楽しむことを目標にして発足しました。

 

発足以来3年が経過し、ポピュラーなオペラは大体制覇しました。初期の目的を達成しましたので、オペラ同好会を解散します。今後はそれぞれ個人的にオペラを楽しむことにしました。


第11回オペラ同好会

 

オペラ同好会も、回を重ねて11回となりました。

上野の文化会館で、モーツアルトの“魔笛”を鑑賞しました。

まず驚いたのが、超満員の大盛況だったことです。若い方、年配の方など、幅広いオペラファンが集いました。

演目がオペラの代表作であったこともあるでしょうが、オペラファンが増えていることを感じさせられました。

この“魔笛”も、多くのオペラがそうであるように、男女の“愛、恋、憎しみ、嫉妬”の入り混じったお話に、神様が絡む内容のオペラです。

オペラの素人の私が聞いていて、すばらしいと思ったのは、“夜の女王”のソプラノのすばらしい発声でした。人の声とは思えないような最高音には驚かされました。

“S様”の解説によると、“コロラトゥーラ”という極めて高度な技巧を要する歌い方のようです。ソプラノ歌手の誰もが出来るものではないそうです。

演出は“宮本亜門”ですが、最近のオペラがそうであるように、舞台装置、衣装が、現代風にアレンジされていて、少し興ざめなところがありました。

古代エジプトの物語なので、もう少し原作の雰囲気を出してほしいと思いました。

次回は11月に、“トスカ”が予定されています。

(文責 西川)

 


第8回オペラ同好会

 

5月19日、久しぶりにヴェルディーの「椿姫」を観る為、初台の新国立劇場に出かけた。

主役の3人はヨーロッパの歌手で名前は知らないが、さすがその実力はすばらしく十分に楽しい一夜だった。

次回はモーツアルトの「魔笛」。

 


第7回オペラ同好会

 

第7回オペラ同好会が新春の2月1日に開催されました。

演目はオペレッタの最高傑作で喜歌劇「こうもり」。

「こうもり」はワルツ王のヨハンシュトラウスⅡ世が1874年に作曲し、アン・デア・ウイーン劇場で初演されたオぺレッタです。「オペレッタの王様」とも呼ばれています。

皆さんご存知のヨハンシュトラウスⅡ世特有の優雅で軽快なワルツの旋律が全編に彩られています。そのメロディーは全世界で愛されています。

 

ウイーン国立劇場では毎年年末年始に公演が組まれており、大晦日の国立劇場の「こうもり」と年始のウイーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサートがウイーンでの恒例行事となっています。

 

舞台は、19世紀後半。富裕な銀行家アイゼンシュタインは、酒癖が災いして下らないことで刑務所に入るハメになりました。その刑務所に入る前の妻(ロザリンテ)の不倫やアインシュタインの舞踏会での遊びに興じている中でのハプニング等々が面白く展開されていきます。「落ち」はアインシュタインの友人ファルケ博士がかって仮面舞踏会の帰りに酔いつぶれアインシュタインが森に置いてきてしまいました。翌日仮面舞踏会のこうもりの扮装のまま帰宅する破目になり「こうもり博士」という変なあだ名をつけられてしまったことから、その「こうもりの復讐」だったと種明かしをするというストーリーです。

 

キャストは、アインゼンシュタイン役にアドリアン・エレート、その妻ロザリント役にアレクサンドララインプレヒト、小間使い役アデーレにジェニファー・オローリン、オルロフスキー侯爵役にマヌエル・レオンハルツベルガーなど本格的なオペラを堪能しました。ただ日本人のアルフレード役は他のキャストからしますと見劣りするのが目立ったのは今一つでした。

アドリブがあちらこちらに日本語で演じられ、観客からの笑いが生じ、かつ喜歌劇であることから軽快なオペレッタを充分に楽しんできました。

 

オペラ鑑賞終了後、「O様」のお手配によるニューオータニにある中華料理「大観苑」へ向かい美味しい中華料理と、「K様」持込みによるカリフォルニアワインで、オペラ談義が大いに盛り上がりました。

(文責 花沢) 

 


第7回オペラ同好会

 

12月6日 渋谷のオーチャードホールでベルディーのツーランドットを楽しむ。

旧ロシアの、ボリショイ劇場、マリインスキー劇場、キエフ劇場はロシア3大オペラとして昔からその実力は世界に名を知られていた。ソ連崩壊後、初めてロシアのオペラを聞いたがその実力は昔のままだった。

今回は、キエフ劇場の引っ越し公演で、見ごたえのある楽しいオペラだった。

全く知らない歌手だが、ツーランドットとリューは、期待通りの歌唱力で、久しぶりに二人のソプラノのアリアに酔いしれた。特にリューの消え入りそうでいて、透明で、しっかりしたピアニッシモには驚嘆した。一方、カラフのテナーは女性のソリストに圧倒され気の毒だった。

近年は、昔の物語を現代に置き換えた公演が多い中で、今回はトラディショナルな舞台装置で、見ていて安心でき、やっぱりオペラはこうでなければと再認識した。

なお、劇中、ピン、ポン、パンの登場人物がでてくるが、フジテレビの子供番組ピンポンパンはこのオペラからとったということだ。 

今回も満員の観客で、オペラファンは確実に増えており、チケットも取りにくくなった。

次回は、2月1日喜歌劇「こうもり」を予定している。

(文責 澤田) 

 


第6回オペラ同好会

 

第6回オペラ同好会が開催されました。演目は、モーツアルトの“イドメネオ”でした。

オペラ同好会も2013年春に第1回が開催されて以来、6回の会を重ねました。

1回目の“マクベス”から始まり、“ホフマン物語”、“フィガロの結婚”、“夕鶴”、“蝶々夫人”と、小生のようなオペラの素人でも一応知っている演目でしたが、今回は、“イドメネオ”という、小生には、初耳の演目でした。

 

オペラに詳しい“S様”の解説によると、オペラには、重厚でシリアスな内容のものと、喜劇風のものと二つの種類があるようで、18世紀以降は、後者の喜劇風のほうが一般に受け入れられたようです。

この“イドメネオ”は、前者に属するオペラで、モーツアルトの“フィガロの結婚”や“ドンジョバンニ”といった人気作品に比べてなじみの薄かった作品ですが、最近では、皆の注目を集める演目となっているようです。

舞台は、トロイ戦争後のクレタ島。クレタ王のイドメネオの息子(王子)と戦争で負けたトロイの王女との恋と、クレタに逃れてきたアルゴスの王女も王子を慕っているという三角関係。一方イドメネオは、クレタに戻る途中遭難し、命が危なかったのですが、海神ネプチューンに救われますが、“王子を生贄に出す”という条件を課せられてしまいます。 王子を生贄にせねばならないという苦しみから逃れるために、王子をアルゴス王女と一緒にアルゴスへ逃がそうとしますが、海神ネプチューンの怒りにふれます。そのため、イドメネオは王子を殺そうと決意しますが、恋相手のトロイ王女が身代わりになると申し出ます。この王女の献身的な愛に、海神ネプチューンも、“イドメネオは王位を退き、王子に王位を与え、トロイ王女が妻となれ”という神託を下します。この神託を国民一同が喜び、平和が訪れるという筋書きです。

 

3時間以上に及ぶ大作ですが、時間のたつのを忘れさせる感動的な舞台でした。ただ少し納得のいかないことが二つありました。

一つは、配役の衣装、舞台装置です。ギリシャ時代が舞台なのに、衣装が背広など、またその他の小道具も現代風であることには違和感を覚えました。

 

二つ目は、王子の役をやっている方が、女性のメゾソプラノであることです。なぜ、男性のテノールを使わないのか疑問でした。

“S様”に聞きますと、一つ目の衣装、舞台装置にはやはり違和感があるとおっしゃっていました。しかし、二つ目の王子役を女性歌手がやるということについては、この王子の歌う音の領域は、メゾソプラノが魅力的で、この領域は男性では出せないと説明してくれました。モーツアルトの思いがそこにあったのだと説明くださいました。

観賞した後、イタリア料理を参加者5人で楽しみ、充実したひと時を過ごしました。

(文責 西川) 

 


第5回オペラ同好会

 

日本でも知れ渡っている「蝶々夫人」を東京文化会館で観劇してきました。

「蝶々夫人」は、プッチーニ作曲の代表作で時は1890年代、舞台は長崎の港を見下ろす丘に立つ家での展開。

プッチーニは生涯来日したことは無いが、日本人が昔から持っていた道徳心や誇りなど、よく研究して世界でも「蝶々夫人」はよく講演されている代表作。

粗筋は、アメリカ海軍士官のピンカートンが現地妻として蝶々さんと結婚。結婚束の間、ピンカートンがアメリカに帰ってしまって3年が経ったある日、夫人を連れだって日本に戻ってきた。蝶々夫人との間の子供をアメリカに連れ帰りたいとの話を聞き、自害してしまう・・・。

 

 蝶々夫人役・腰越満美は日本を代表するオペラ歌手。2005年夏、中米・コスタリカ国立交響楽団によるオペラ公演「蝶々夫人」タイトル・ロールで招聘され熱狂的な成功を収め、地元各紙からも絶賛されている。今回も明るく前へ前へ進もうとする蝶々夫人を演じきって万雷の拍手を受けた。

指揮者はイタリアオペラ界のプリンスと言われているダニエーレ・ルスティオーニ氏。

また、蝶々夫人の女中スズキ役・永井和子はメゾソプラノとして国際的な地位を築いている人等々脇役も優れたキャスト達で、終演後は大変な声援を受けた。

 

今回が5回目のオペラ観劇となりましたが、日本の長崎(服装は和服)を舞台としてイタリア語でのオペラが実にマッチングされており、オペラ観劇の醍醐味を味わいました。

(文責 花沢) 

 


第4回オペラ同好会

 

木下順二作、団伊玖磨作曲の夕鶴を文化会館で見る。さすが、プリマドンナ佐藤しのぶは人気があり、切符は完売していた。お通役の佐藤しのぶは年齢から往年の輝きは少し消えていたが、それでもその美声は観客の期待に十分応えていた。また、千住博の古の日本と現代を融合した舞台美術は、美しく目を見張るものがあった。日本語のオペラは歌詞がすべて理解できるので肩がこらない。この曲は、60年も前に作曲されたとのこと。オペラの世界ではそのころからグローバル化が進みつつあったということか。

 

指揮は、佐藤しのぶのご主人である現田茂夫で、二人そろって少しはにかんだカーテンコールを見て、夫婦一緒の仕事は羨ましいような気もするが、さてどんなものだろうかとも思い、余計なことも考えた。

鑑賞後、神田でイタリア料理を楽しみ優雅な一日を終えた。

(文責 澤田) 

 


第3回オペラ同好会

 

今回のオペラ同好会は、新国立劇場での“フィガロの結婚”でした。

今回の参加者は5名で、開演前に、劇場のレストランで会食をし、S様はじめご参加された方々の豊富なオペラ鑑賞経験談を中心に、盛り上がりました。

 

オペラを鑑賞するようになってまだ2年くらいの小生にとってはすべてが興味ある話でした。

フィガロの結婚は、モーツアルトの代表作です。伯爵の家来のフィガロと、小間使いのスザンナとの結婚と、それに対する伯爵の横暴、そしてそれを取り巻く人々との関係を描いた風刺的な戯曲です。

 

世界の一流劇場で活躍する外国人歌手と日本人歌手の組み合わせが興味をひきました。小生がオペラに魅かれたのは、歌手の声量、迫力、そして男性歌手、女性歌手のおりなす見事なハーモニーでした。

この種の世界に疎かった小生も、オペラの魅力にとりつかれてしまいました。

(文責 西川) 

 


第2回オペラ同好会

 

8月1日(金)、澤田様にお手配頂き新国立劇場にて「ホフマン物語」を観劇してきました。

当日開演(PM6:30)前のPM5:10に現地集合し、レストランにてビール・ワインを飲みながら参加メンバー澤田様・大久保様・西川様・花沢 4名で和やかにオペラ談義に興じました。

 

 二期会創立60周年記念公演として行われました。

ホフマン物語は、19世紀ドイツのニュルンベルクを背景に、全く異なった3幕によるオムニバスドラマ作品です。作曲はオッフェンバックですが、健康を害しオペラの作品自体は未完のままとなっています。音楽については皆さん聞いたことのある「ホフマンの舟歌」や「クラインザックの歌」などがあります。

 主役ホフマンは新進気鋭の樋口達也。第1幕はホフマンの恋人役オランピアに佐渡裕子、第2幕は恋人高級娼婦役ジュリエッタに菊池美奈、第3幕は恋人にアントニア役高橋絵里の熱演でした。分けても菊池美奈、高橋絵里の演技は、小生のようなオペラに詳しくないものでもその場の雰囲気に吸い込まれるようでした。

終演はPM10:00でした。3時間30分に及ぶ観劇は、小生の様なものでもオペラの素晴らしさの一端を感じさせて貰い、次回も参加しようとの気持ちになっています。

 

次回は、10月23日(水)新国立劇場 PM6:30開演「フィガロの結婚」です。

是非、F1会員の皆様にオペラ同好会ご参加をお薦めします。

(文責 花沢) 

 

第1回オペラ同好会

 

第一回オペラ同好会

今年はイタリアオペラの巨匠、ヴェルデイー生誕200年になるようで、日本でも様々な行事や公演が計画されている。そこで、第一回オペラ同好会を5月1日に開催し、ヴェルデーの「マクベス」を聴きに上野の文化会館に出かけた。 参加者は、大久保、花沢、西川 澤田の4人。開演前に食事を取りながら和気あいあいと楽しい時間を過ごす。

マクベスは日本で、久しぶりの公演なので、連休中にもかかわらず、思いのほかたくさんの観客が入っていた。

シェークスピアの悲劇をもとにしたマクベスは、1847年フィレンツエで初演され、ヴェルデー自ら指揮を取ったようで、その時のカーテンコールは38回にも及んだとのこと。

 

このオペラの主役は勿論マクベスだが、今日に限って言えば、主役はマクベス夫人を演じた板波利加さんで、彼女の声に魅了された観客が多かったと思う。彼女の歌ったアリア「今こそ立て皆の者」はブラバーの声もかかっていた。イタリアで活躍する彼女は、それほど有名なプリマドンナではないが、日本におけるオペラ界の人材の層の深さを感じさせた。

ヴェルデーのオペラは、音楽と視覚の融合が魅力で、力強く華麗な歌唱に優れており、かつ理屈っぽくないので、我々素人にも親しみやすい。今回のマクベスも期待通りで、観客を裏切らなかった。

ヴェルデイー曰く、「聴き手は、オペラが良ければ拍手、だめならブー、あるのは音楽だけだ」 音楽の良し悪しは、他人に干渉されるものでなく、自分で決めるものだと言っているのだろう。今夜の我々は、ヴェルデイー及び歌手に感動して、各人がそれぞれ拍手し、満たされた心で帰路についた。

 

それにしても東西を問わず、本当の悪人は、女性だと改めてマクベスを見て、再認識した

今後の進め方を皆で相談した結果、開催は3カ月に1回、演目は皆で決める事になった。次回は7月のホフマン物語。

(文責 澤田)