2013年11月度例会「金(きん)について」

11月28日(木)日比谷プレスセンタービル9階にてフォーカス・ワンの11月例会が会員33名出席のもと開催された。今回は「金」の話、「かね」ではなく「きん」の話、ゴールドについてです。講師は住友金属鉱山に勤務されて、日本独自の金価格である山元建値(やまもとたてね)という生産者価格決定に同社の貴金属部の統括者として永年携わってこられた真木郁夫氏。

 

非常に安定しているという「金」の物的特性から紀元前より貨幣として使われてきたという古くからの「金」の歴史について触れ、また近世においての金の兌換制度の確立、そしてニクソン大統領が兌換制度を停止したという経済史を思い出させてくれた。続いて「金」の価格決定のメカニズムという核心に話が進んだ。単位が海外では米ドル/トロイ・オンス、国内では円/gであり、市場はロンドン、ニューヨーク、チューリッヒ、香港、東京、上海にあることを多くの参加者は今回の講演を聴き学ばしてもらった。更に生産および需要の動向、世界の地上在庫、そして鉱山の探査方法、製錬法についての話があり、さて参加者の最大の関心事である今後の価格動向に進んだ。ポイントはアメリカの金融緩和の動向とファンドの動向となり、3月中旬に発表されるFOMCの方向が注目されるとの事であった。

 

なお、最近中国が「金」の総保有量を積極的に積み増しているそうである。

次回の12月例会は12月17日(火)18時から、同じくプレスセンター9階にて開催されます。

(文責 杉野)