2013年4月度例会「新エネルギーとシェール革命」

去る4月10日(水)、会員の猪熊様のご厚意により、日本記者クラブ9Fの大会議室に於いて、40名(会員37名、非会員3名)の参加の下、第1回定例会が盛大に行われた。

 

木内事務局長からF1の活動経過について報告がなされた後、F1会員で元・トーメン代表取締役専務 石館陸男氏が講師となって、「新エネルギーとシェール革命」と題して講演が行われた。

 

 講演概要は以下の通り。

・20世紀後半は、石油の時代。中東で石油が発見され、大量に消費され、環境に対して大きな影響を与えてきた。

一方で化石燃料は有限であることにも気が付いた。

 

・人類共通の遺産である化石燃料を残しつつ、経済成長もしながら、環境問題を解決するために我々が成すべきこと・出来ることは何か?

 

・世界は原発を推進する国と脱原発を図る国と二極化。日本の近辺には原発推進国が多い。

・未だ化石燃料が主流を占めている。

・エネルギー効率でみると、日本を「1」として中国は「8」、ロシアはもっと大きい。先進国の平均が「3」。

日本は世界中で最も省エネ技術が進んでいる。

 

・CO₂排出と温暖化は相似的。排出量が多いのは中国、米国を抜いて1位となった。

・再生可能エネルギー、新エネルギー

 

未だ大規模水力発電が再生エネルギーの主流である。

太陽光発電・風力発電は、安定供給のために補助電源が必要。

現状太陽光発電への偏重が問題。

 

風力、バイオマス、地熱等、バランスの取れた開発が重要。

・シェール革命

 

シェールガス・オイルは世界に広く分布している。2兆m²。中国、米国が埋蔵量多い。

・今後の電力の在り方、日本の電力の課題

 

2年前の3月に起きた東日本大震災による福島原子力発電所の事故は、今後の日本のみならず世界のエネルギー政策に大きな影響を与えることとなった。

 

このような潜在的なリスクを抱える原発は廃止すべきとの意見が大きくなってきたが、一方に於いて果たして原発なしで電力の安定供給が可能であるか。より化石燃料に依存することにより、地球環境は守られるのか、また電力価格の高騰は避けられるのか。

 

再生可能エネルギーで原発の不足分をカバーできるであろうか。これらの問題を単なる希望的な観測ではなしに、現実に即した真剣な議論が必要であろう。