上越みどりのボランティア

7月9日(木)と10日(金)の2日間毎年恒例となっている初夏の「上越緑のボランティア」にフォーカス・ワンの会員を中心に19名で参加してきました。梅雨前線が南下して、前日までの雨は上がり下界は曇りでしたが、山の方は雲に覆われており雨の様子、初日に予定していた散策路整備はやむなく断念して、雨天プログラムとして用意していた「屏風と書の見学ツァー」に切り替えました。

 

長岡市の古くからのお米屋さんであるT氏の所蔵する100点近い屏風が製菓工場の最上階の広々したワンフロァーに展示されておりました。屏風を見せて頂きながらお話を伺うと、新潟は古くからの日本有数の米どころ、東北の様な冷害はなく、日本海に流れている暖流の影響で安定的なコメの収穫が出来、明治初期頃までは大変豊かな地域であり、人口は東京より多かったとのことです。その中核をなす地主層はその財力を背景に当時の絵師達のスポンサーとなり長期間逗留させ、応援していたとのこと。大きな屋敷を持ち、客人をもてなすのに自慢の屏風を飾ることが一種のステイタスだったようです。多くの屏風や書が今でも残されているようです。

 

ところが昨今その地元旧家を継ぐ若い世代が減少してきたこと、地震などで所蔵していた蔵などが壊れてきていること、建て替えられた家が洋風化して屏風の需要が減ったことなどから屏風の行き場がなくなってきているそうで、それを見かねたT氏が私財でそれらを買い求めておられるそうです。T氏は80歳を超えられておられるそうですが背筋が伸び、説明頂く声も良く通り、また屏風の芸術性に精通された方であり、朴訥とした話しぶりと滲み出るお人柄に参加者一同魅了されました。

 

そして2日目は晴天に恵まれ予定していたブナの植栽、40本を当間山山頂近くの傾斜地に植えました。これまでに約500本近くを植えてきておりまずその周りの雑草を刈り取り長い冬の積雪に耐えてきた苗木に太陽を充分に充ててやり、また無事なる成長を期待して新しい苗40本を植えました。参加者の作業効率も上がり比較的短い時間で終えることが出来ました。

 

今年は地元十日町市が3年に1回開催し、今回で6回目を迎える「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」が7月26日から9月13日まで行われます。ボランティアに一緒に参加した市役所観光課の方から是非見学に来てくださいと会員皆さまにメッセージがありました。

 

(文責 杉野)