2017年9月度定例会講演「RENEWABLE ENERGY FOR EVERYONE」

金香佑典氏(当会会員、東京太陽光材(株)代表取締役)

 

金香氏は2007年に太陽電池用シリコンウエハ製造メーカー、スぺースエナジー(株)に入社。国内外の太陽電池メーカー向けシリコンウエハ材料の販売に従事。

2011年に両面受光型太陽電池システムを販売するベンチャー企業の東京太陽光建材(株)に入社。2014年より同社代表取締役。

 

今回は、金香氏が代表取締役をされている東京太陽光建材(株)(以下TSBM社)が社を挙げて、その設計・システム並びに販売をに注力している「両面受光型太陽電池」について、これまでの取り組み並びに現在開発・推進中の数々のプロジェクトに関して極めて判り易く、また強い熱意をもってお話をして頂いた。

この両面型太陽光電池は裏面効果により、これまでの片面型に比し、約20%高い出力を実現するもので、その実効の証明は、2012年に実施された弘前市での実証試験で明らかにされ、これを契機に弘前市内小中学校他公共施設にこの両面型太陽光電池が数多く導入された。(因みに、弘前市での試験は、積雪地帯では従来の片面型は積雪によりほとんど機能しなかったのが、両面型は裏面が雪に反射して熱を発し表面の雪も溶かして発電するという結果であった)

その後欧州での屋外実証試験により、地面を白色にした場合の発電量が10~20%UPすることが証明され、これを受け日本国内で、地面を石灰石・白のビニールシートにしたり、屋根を白色にしてのモジュール施工の実績を積み重ねてきている、即ち、白色+両面型でより多くの発電量が得られるというもの。

その他に垂直型の設置の開発も行い、これについても確かな成果を挙げている。

NEDO策定の2030年度エネルギー政策においては、太陽光を2013年対比7倍にする指針となっている。一方、現在置かれている環境は中国メーカーによる低価格攻勢にどう対抗していくかということが喫緊の課題となっている。そういう中にあって、TSBM社としては、「EV時代を先取りしての太陽光カーポート+EVチャージャー方式」、「AEDを屋外設置可能にする垂直型」、「獣害対策用の垂直型」等々のプロジェクト・開発に取り組み、片や、海外にも目を向けて、タイ・ウズべキスタンでの現地施工会社との提携や、漁船ソーラープロジェクト等も手掛け、積極的に打って出る戦略を推進している。

RENEWABLE ENERGY FOR EVERYONEというキャッチコピーを掲げ果敢に挑戦するTSBM社の更なる発展を大いに期待・祈念致したい。

                    (文責・・・川畑)