第4回 東北スタディ・ツアー

Yカフェにて コーディネーターY様(右)から説明を受ける
Yカフェにて コーディネーターY様(右)から説明を受ける

 

10月10日(木)と11日(金)の2日間、フォーカス・ワンの有志10名とゲスト2名で宮城県石巻市と女川町を訪問してきました。

「素晴らしい出会いの機会」であったと参加者は感想を漏らしています。地元出身で被災地女川に畑を開墾し唐辛子とイチジク(訪問した翌日襲来した台風19号の影響で多くのイチジクが落下して被害が出ているそうです)を育て商品化して、その他にも地元に元気を呼び起こそうとエネルギッシュに幅広く事業に取り組み、日々奮闘している女性経営者、そして川崎から移り住んでワカメの廃棄物を混ぜたエサで羊を飼って新たに畜産業を営んでいる起業家、津波で幸運にも残った民宿を改築してこぎれいな宿を経営する女将など、復興を支えている素晴らしい方々にお目に掛かりました。

 

Sファーム わかめ羊
Sファーム わかめ羊
Sファーム 代表理事  K様(右)
Sファーム 代表理事 K様(右)

 

今回参加者の皆さんはそれぞれ感じる思いは様々ではありますが、あの大震災から8年半も経過しているのに、被災地の復興がいまだ途上であることは現地を見て良く分かり、まだまだ復興が進んでいない現実を前にしてやりきれない気持ちでいっぱいであることは共通です。また復興といっても進めている人達の立場により温度差があり、決して一本化できていない事実も目にして、一口に復興といってもそれは複雑で困難であるかを痛感する場面もありました。

復興を手助けするといっても、決して容易ではない、フォーカス・ワンとして何が出来るかといっても絞り切るのは非常に難しく、これから今回の参加者が中心になって模索、議論していきたいと思います。

 

旧大川小学校跡地
旧大川小学校跡地
向かいの山へ逃げていれば?
向かいの山へ逃げていれば?

 

津波で学童74名と先生10名がなくなった旧大川小学校跡地の慰霊訪問と同日付けで最高裁の判決があり、行政や学校の事前防災不備の責任が問われ遺族側の勝訴となりました。では、福島原発事故での国や東電の事前防災に不備はなかったのかと考えさせられ、このようなケースは他にもあると思われます。先日の台風19号にしても、地球温暖化の影響で巨大化していることが想定されるのに防災対策は従来のまま踏襲しているだけで良いのでしょうか。

地域食堂の皆さんと一緒に
地域食堂の皆さんと一緒に

いずれにしろ、被災地の方々の痛み、復興に向けた歩みの裏表、二度と元に戻らない現実、重層化する心と思い、これらを実際に目にして、肌で感じた二日間でした。

 

(文責:杉野)