日時:2025年12月16日(火)18時00分~20時30分
会場:東レ社員クラブ
内容:
今回は計18名が参加し、外部講師の佐野利男氏(日本デンマーク協会会長、元デンマーク王国特命全権大使)に「戦略的な価値を高めるグリーンランドの将来」というタイトルで講演していただいた。
講演の骨子は以下のとおり。
トランプ米政権が領有を打ち出してからデンマークの自治領であるグリーンランド(GL)が注目を浴びている。北極海に面したこの島は、第二次世界大戦中はナチス・ドイツに、戦後冷戦中はソ連に、そして冷戦後はロシアに対する西半球防衛の前哨基地として、また最近は中国の経済的・政治的関与(「氷上のシルク・ロード」)を牽制する上で戦略的価値を高めている。米政権の意図はこの島が対ロシア安全保障の確保、及び中国の影響下に置かれないように直接領有を企図するものと考えられるが、住民(イヌイット)の多数はこれに消極的で、むしろデンマークからの独立を志向している。独立に不可欠な経済的自立のための開発資金を外国特に中国に依存することは政治的リスクがある。現自治政府は当面独立には慎重だが、中・長期的には独立か、米国による領有か或いは国連により認められている「自由連合」かの選択に直面しよう。欧米・日本を含む西側諸国はGLの開発資金について中国に代わる選択肢を用意すべきだ。
その後の懇親会はI顧問の乾杯の挨拶で始まった。今回は多くの人がグリーンランドに行ったことがなく、あまり馴染みのない国のお話だったこともあり、まずは住民のイヌイットとはどういう民族か、また日本の事をどう見ているかなど未知の世界への興味からくる質疑から始まった。 また、グリーンランドの面積は日本の約6倍程度だが、北極圏の地図がメルカトル図法で表示されている関係で更に著しく拡大されているなどもあり、地図の話題など広範囲の意見交換会になったと思料する。
そして、宴もたけなわなところで時間となり、O代表理事の締めでお開きとした。
(文責 岩崎啓一郎)
